閉店したラーメン店、カフェの6割以上が3年以内に営業終了。飲食店で閉店しやすい業態とは?

飲食店の出店・開業・運営に役立つサービスをワンストップで提供する「飲食店ドットコム」(https://www.inshokuten.com/)を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤代真一、東証プライム市場:3963)は、当サイトの造作譲渡情報より、閉店した飲食店の業態と営業年数を調査いたしました。
  • 調査概要
調査対象:「飲食店ドットコム」に登録された造作譲渡情報のうち営業年数および業態を保有するデータ
調査対象数:3,133件
調査期間:2016年1月1日~2022年12月31日

 
  • 閉店しやすい業態は、「お弁当・惣菜・デリ」、「そば・うどん」、「ラーメン」、「カフェ」
閉店した飲食店の件数を業態と営業年数ごとに集計したところ、「お弁当・惣菜・デリ」、「そば・うどん」、「ラーメン」、「カフェ」は、6割以上の店舗が営業3年以内で閉店しており、かつ3割以上の店舗については営業1年以内に閉店していることがわかりました。
 


ラーメン店とカフェは「出店したい業態」としてトップ5に入る人気業態ですが、同じく出店したい業態として上位である居酒屋・ダイニングバーと比較すると、3年以内に閉店する割合はラーメン店(62.85%)、カフェ(61.61%)に比べ、居酒屋・ダイニングバー(47.47%)と約15%の差があり、ラーメン店やカフェは生き残りが厳しい業態であることがわかります。

参考:『出店したい業態No.1は?』飲食店の出店したい業態ランキングと出店予算の動向を飲食店.COMが発表 https://www.synchro-food.co.jp/news/press/1325

 
  • 2015年までの閉店データと比較すると、1年以内の閉店割合が低下
弊社の2003年〜2015年の期間における同データ(https://www.inshokuten.com/foodist/article/611/)と比較すると、前回の調査では、「アジア料理」、「ラーメン」、「中華」、「そば・うどん」の1年以内の閉店割合が4割を超えていました。また、3年以内の閉店割合も、今回の調査の方が全体的に低くなっています。
これらの影響としては、コロナ禍で飲食店向けの給付金や補助金が支給されたことで、通常よりも閉店率が低くなったことが考えられます。

 また、前回よりも閉店割合が下がったものの、「ラーメン」「そば・うどん」は前回・今回の調査ともに高い割合で3年以内に閉店しており、他の業態に比べて閉店しやすい業態であるということができます。

 
  • 息の長い業態は、和食、寿司、フランス料理など参入障壁のある業態
一方で、閉店までの営業年数が長かった業態を見ると、営業3年を超える店舗の割合が最も高かった3業態は、「和食」、「寿司」、「フランス料理」に。前回のデータ(https://www.inshokuten.com/foodist/article/611/)でも、順位は異なるものの同じ3業態という結果になりました。特に、「和食」と「寿司」は、11年を超える営業をしていた店舗の割合が和食(30.46%)、寿司(29.63%)と非常に高い割合を占めています。
特に寿司とフランス料理については、専門的な技術を要するため開業までの障壁が高く、他業種と比較すると開店件数が低いため、競合が少ないことも影響していると考えられます。

今後も「飲食店ドットコム」は飲食業界のさまざまな情報を発信し、飲食業界の皆様、そして飲食店をご利用のお客様にもお役に立てるよう努めてまいります。