＜調査結果について＞
■飲食業界では、4人に3人が尊敬する上司に出会ったことがある一方で、9割以上が上司に悩まされた経験がある。
■従業員が上司に求めることは「誰に対しても誠実・公平」であること。
■サービス系職種（※1）の人は調理系職種（※2）の人に比べて、上司に指示を求める傾向があり、調理系職種の人はサービス系職種の人に比べて、上司に教育・指導を求める傾向がある。

※1）ホール・ソムリエ・バーテンダー・バリスタなど
※2）調理スタッフ・調理補助・パティシエ・ブランジェなど

■尊敬する上司／困った上司

まず「尊敬する上司に出会ったことがありますか？」という質問に対し、75％は「ある」と回答しました。一方、「困った上司に出会ったことがありますか？」という質問には94％が「ある」と回答しており、上司に対して厳しい目が向けられていると言えそうです。

■飲食店の従業員が上司に求めることは「誠実・公平」であること

次に「理想の上司はどんな人か」を聞いたところ、職種を問わず「誰に対しても誠実・公平」が最多となり、サービス系職種で57％、調理系職種で55％を占めました。また、性別・年代別・雇用形態別で見ても「誰に対しても誠実・公平」が最多となっており、部下は上司の人間性をもっとも重視していることがわかります。

次いで多かった回答は職種別で多少の違いがあり、サービス系職種においては2番目が「指示が的確」で52％、3番目が「知識や経験が豊富」で42％となりました。一方、調理系職種においては2番目が「知識や経験が豊富」で47％、3番目が「指示が的確」で41％となりました。

サービス系職種は、常にお客様と接する業務でありながら、未経験からのスタートも少なくありません。忙しい飲食店では臨機応変な対応を求められるため、上司からの的確な指示がほしいと感じる人も多いようです。

一方で調理系職種の人は、料理人として知識を増やし、調理技術を磨くために、上司には自分より豊富な知識と経験を求めているようです。調理系職種がサービス系職種に比べて、上司に「教育・指導に熱心」であることを求めることからも、上司から直に技術を吸収したり、知見を得たりしたいと思っているのでしょう。その他の項目については、職種別に大きな違いはみられませんでした。

なお、年代別データでは、年代が低いほど上司に的確な指示やコミュニケーションを求め、リーダーシップはあまり求めないという傾向が見られました。若手は上司に対して近い関係性を求める傾向があると考えられます。

ここで、理想の上司にまつわるエピソードを自由記述形式で聞いたところ、以下の回答が得られました（一部抜粋）。

「段取りをしっかりと組んで、的確に指示する。全体をちゃんと見て動いてくれる」
「持ち場を離れても、メールなどで相談すると快く返答してくれた」
「毎月、スタッフ個別で相談の時間を作ってくれた」
「失敗したときも必ずフォローしてくれて、改善できるように一緒に考えてくれる」
「体調の小さな変化に気づいてくれて声をかけてくれる」
「お客様からのクレームや混雑によって店内がうまく回っていない時でも、落ち着いて的確な指示を出してくれる。この上司には困った時や悩んだ時でも一番に相談したくなる。」
「学生アルバイトにヒアリングし、オペレーションのレベルをマニュアル化し、一定のレベルの効率化を図る」
「いざと言う時に先頭に立つ」

多くは上司とのコミュニケーションに関する意見となりました。これらの意見をまとめると、「飲食店の理想の上司」に求められる行動は以下に集約されるでしょう。

●誰に対しても誠実に接し、公平に対応する
●営業中は常に全体を俯瞰して、段取りを組み、的確に指示をする
●部下が失敗したらフォローし、改善を一緒に考える
●クレームなどの不測の事態に冷静に対応し、いざという時は先頭に立つ
●業務レベルの底上げと効率化を図る

■不公平・公私混同する上司は最も嫌われる

次に「困った上司はどんな人か」を聞いたところ、職種を問わず「不公平・公私混同する」が最多となり、サービス系職種で71％、調理系職種で64％を占めました。全体的に理想の上司とは真逆の結果となっています。

次いで多かった回答は、サービス系職種は「指示があいまい」で55％、調理系職種は「責任感に欠ける」で46％となりました。先の「理想の上司」の結果にもあるように、サービス系職種は上司に的確な「指示」を求めていることがわかります。その他の項目については、職種別に大きな違いは見られませんでした。

ここで、困った上司にまつわるエピソードを自由記述形式で聞いたところ、以下の回答が得られました。

「前回の指示と矛盾したことを言いだす」
「店で問題があった時にお客様がいるにもかかわらず大声で怒鳴り、スタッフに暴力をふるう」
「人の好き嫌いがあるのは仕方がないが、仕事で好き嫌いを出して人によって態度を変える」
「困ったことがあっても取り合ってくれず、お客様に嫌がらせを受けても庇ってもくれない」
「シフト管理ができず、残業ありきでシフトをつくる」
「雇用の知識が全くなく、採用するだけしていざオープンしてシフトをみるとスタッフを採用しすぎて余り、1ヶ月に1回だけの勤務だった人が何人かいた」

このほか、困った上司にまつわるエピソードは理想の上司にまつわるエピソードと比べて倍近くの回答がありました。先の質問で94％の人が困った上司に出会ったことがあると回答しているように、飲食店において上司との関係で悩んでいる人は非常に多いようです。


＜調査概要＞
◆調査期間：2018年8月27日～2018年9月2日
◆調査対象：求人＠飲食店.COMの登録ユーザー（匿名回答）
◆調査方法：インターネット調査
◆有効回答人数：391名

詳しい調査結果はこちらから
https://www.inshokuten.com/recruit/knowledge/trend/detail/286

飲食業界の求人動向がわかる求職者アンケート結果はこちらから
https://www.inshokuten.com/recruit/knowledge/trend/list/?serachCategoryCode=2

求人＠飲食店.COMでは、今後も様々なデータの解析や分析を行い、飲食店で働きたい方、飲食店の出店者・運営者の皆さまにとって価値ある情報をお届けしていきます。

■調査結果の引用時のお願い
本調査結果の引用時には、以下のご対応をお願い申し上げます。
・クレジットに「求人＠飲食店.COM（株式会社シンクロ・フード）調べ」と明記してください。
・WEB上で引用いただく際には、「求人＠飲食店.COM」（ https://job.inshokuten.com/ ）へのリンク付与をお願いいたします。